唐招提寺

開基は中国・唐出身の僧・鑑真。奈良時代建立の金堂、講堂を始め、多くの文化財を有する。

唐招提寺 講堂
Toshoaiji Temple Lecture Hall
国宝
 入母屋造(桁行9間・梁間4間)
 本瓦葺
 天平宝字5年の造立
 平城宮朝集殿の移築した建物
唐招提寺 講堂
(2013/07/20撮影)

 歴史

時代 内容
天平宝字5年(761) 『招提寺建立縁起』や『延暦僧録』によると平城宮朝集殿を移築によって造立。
建治元年(1275) 大修理。

 建築

  • 本来、柱間はほとんど仕切られていなかったが移設時に講堂としての体裁を整えたと推定。
  • 鎌倉時代の修理により当初の形式から大きく変更している。
    1. 堂内には折上小組格天井を新設し、本来化粧屋根だった小屋組に野小屋を設けて、屋根を高くしている。
    2. 扉構えは当初の板戸から桟唐戸に変更。
    3. 柱間には補強材として木鼻付の頭貫・飛貫・腰貫を入れている。
  • 従って、現在の講堂は内外ともに鎌倉様式が目立つ。
  • 内部の天井の隙間からは当初の小屋組である二重虹梁蟇股式を垣間見ることができる。

 堂内

本尊
重文 弥勒如来坐像
諸尊
重文 持国天立像
重文 増長天立像
  • 堂内中央に本尊の丈六弥勒如来坐像を祀る。
  • 前面には論議台を東西に設置している。

 仏像


弥勒如来坐像
Seated statue of Miroku-nyorai
重要文化財
唐招提寺講堂 弥勒如来坐像

(引用:新版 古寺巡礼奈良8『唐招提寺』淡交社)


  • 木造 像高284.2cm
  • 膝裏の墨書銘は、弘安10年(1287)8月に勧進沙門真乗によって修補されたと記す。
  • 『記録法蔵』という史料では、その後の正応5年(1292)に供養が行われたことがわかる。
  • 頭部は正中線で2材を矧ぎ、体部は前後各2材、体側部各1材を四方から寄せているが、頭部と体部の繋ぎ方は特異である。
  • 頭体ともに肉付きがよく、面相は吊り上がった目を刻む。


持国天・増長天立像
Standing Statue of Jikokuten and Zochoten
重要文化財
唐招提寺講堂 持国天立像
持国天立像
唐招提寺講堂 増長天立像
増長天立像
(引用:新版 古寺巡礼奈良8『唐招提寺』淡交社)

  • 木造
  • 像高:持国天132.5cm・増長天128.2cm
  • カヤの一木造で、木心を持国天は右後方、増長天は左後方に外す。
  • ともに、頭部を小さめに、腰太で膝下が短く、甲を花で飾り、裳や袖の処理に共通点がある。
  • 天平時代盛期の東大寺法華堂や戒壇院の四天王像とは全く異なる姿の天部像であり、鑑真和上の来朝によって生み出されたと考えられている。
  • 近年、矢田寺(金剛山寺)から作風を同じくする2体の天部像が発見された。

 関連リンク

唐招提寺 公式サイト

 案内

住所

  • 奈良市五条町13-46

交通 詳細

  • 西ノ京駅 ~ 徒歩6分

拝観 詳細

  • 時間 8:30~17:00
  • 料金 600円
    (別途 御影堂:500円/新宝蔵:200円)