唐招提寺

開基は中国・唐出身の僧・鑑真。奈良時代建立の金堂、講堂を始め、多くの文化財を有する。

唐招提寺 鼓楼
Toshoaiji Temple Durm Tower
国宝
 楼造・入母屋造(桁行3間・梁間2間)
 本瓦葺
 仁治元年(1240)の造立
 鑑真和上が唐から持ってきた舎利を祀る舎利殿
唐招提寺 鼓楼
(2013/07/20撮影)

 歴史

時代 内容
仁治元年(1240) 舎利殿として創建。
江戸時代 「鼓楼」と名称を変更する。

 建築

  • 基本的に和様、木鼻付の頭貫や足固め貫など一部で大仏様が取り入れられる。
  • 平面形式は次のとおり。
    1. 上層:桁行中央間を扉口、他を連子子の隙間のない連子窓、床は板張り、四方に高欄付の簀の子縁を回す。
    2. 下層:通常は土間とするが、金亀舎利塔を納めているため上層と同様に板張り、四方に縁を回す。ただし、連子子の間の隙間は開いている。
  • 楼造であることは創建時の形式を伝える。
  • 床を設けて、縁をめぐらせ、入母屋造としたのは再建時の時。
  • 初層が扉と連子窓なのは舎利殿としての設計。

 堂内

国宝 舎利容器
  • 堂内の厨子に舎利容器を安置。

 寺宝


舎利容器
Vessel containing the Buddha’s bones
国宝
  • 鑑真和上請来の「如来舎利三千粒」を収める「白瑠璃舎利壺」とそれを包む「方円彩糸花網」、さらにそれを収める「金亀舎利塔」で構成

金亀舎利塔
Gilt bronze Reliquary
唐招提寺鼓楼 金亀舎利塔

(引用:新版 古寺巡礼奈良8『唐招提寺』淡交社)


  • 高さ92cm、総体が金銅の打物
  • 台座となる亀形部は木胎に金銅板を被せたもの。
  • 白瑠璃舎利壷を収める軸部は蓮華唐草の透かし彫り。
  • 鑑真和上が渡航中、海に沈んだ舎利を亀が背にして浮かび上がってきたという故事にちなんで造られたもの。

白瑠璃舎利壷
Urns for Buddha bones
唐招提寺鼓楼 白瑠璃舎利壷
  • 高さ9.2cm、胴径11.2cm
  • 鑑真和上が唐から将来(持って来る)した仏舎利を収めるペルシャ製ガラス壺。
  • 肩・底部に大きめの気泡がある。
  • 淡黄色で厚手、口縁には金銅製の口金がはめられる。
  • 後小松天皇などの勅封により厳封されている。

方円彩糸花網
Hoen-Saishikamou
唐招提寺鼓楼 方円彩糸花網
  • 長径27.9cm
  • 白瑠璃舎利壷を包んで保護していたレースと考えられている。
  • 紺、茶緑、淡茶、白茶等の絹色糸で編み上げられる。
  • 形はほぼ円形で、中央部に方形の文様が編み込まれる。
  • 技法などから唐で作られたと推定。

 関連リンク

唐招提寺 公式サイト

 案内

住所

  • 奈良市五条町13-46

交通

  • 西ノ京駅 ~ 徒歩6分

拝観 詳細

  • 時間 8:30~17:00
  • 料金 600円
    (別途 御影堂:500円/新宝蔵:200円)