唐招提寺

開基は中国・唐出身の僧・鑑真。奈良時代建立の金堂、講堂を始め、多くの文化財を有する。

世界文化遺産(古都奈良の文化財)
[平成10年(1998)登録]

国指定史跡

 基本

  • 招提寺、唐寺、建初律寺とも称す。
  • 南都七大寺
  • 山号 : なし
  • 院号 : なし
  • 宗派 : 律宗(総本山):南都六宗の一つ
  • 開基 : 鑑真

 本尊

  • 盧舎那仏(金堂)

 札所

  • 大和北部八十八ヶ所霊場 26番
  • 大和北部八十八ヶ所霊場 27番(奥院)

 所在地

  • 平城京の右京五条二坊に位置した。
  • 近鉄西ノ京駅から東に向かい、直ぐの角を左折し、薬師寺の土壁を右に見ながら北へ進むと南大門が見える。

唐招提寺 位置図
唐招提寺 境内図
境内案内図 (引用:唐招提寺リーフレット)

 歴史

時期 内容
天平宝字3年(759) 天武天皇の第7皇子の新田部親王の旧宅を与えられた鑑真が建立。

  • 当初は東大寺を離れた鑑真和上の私寺として、講堂、経蔵、宝蔵のみであった。
  • 寄進などで次第に伽藍が整えられ、天平末期に弟子の如宝によって金堂が建立される。
平安時代 寺勢は次第に衰える。
鎌倉時代 覚盛上人が戒律を復興させる。
江戸時代 寺領300石を受け、5代将軍・綱吉の母・桂昌院の寄進により諸堂を改修。
明治時代 明治維新における廃仏毀釈では、幸いにも寺観を維持。
昭和35年(1960) 南大門を再建。
平成21年(2009) 約10年を要して金堂平成大修理落慶法要。

 伽藍

唐招提寺境内 位置図
唐招提寺境内 位置図
名称 建立時期 詳細
金堂 奈良(8世紀後半) 詳細ページ
講堂 奈良(8世紀後半) 詳細ページ
鼓楼 鎌倉(仁治元年) 詳細ページ
礼堂 鎌倉 詳細ページ
御影堂 江戸 詳細ページ
経蔵 奈良(8世紀後半) 詳細ページ
宝蔵 奈良(8世紀後半) 詳細ページ
新宝蔵 昭和45年
戒壇 鎌倉(石段のみ) 詳細ページ
鑑真和上御廟 詳細ページ
南大門 昭和35年再建 詳細ページ
中興堂 平成11年 詳細ページ
開山堂 平成25年改修 詳細ページ

 国宝

建造物
名称 適用 詳細
金堂 [附:旧鴟尾2箇、旧部材22枚(旧内陣天井支輪板4、旧内陣天井板6、旧軒支輪板12)] 詳細ページ
講堂 [附:蟇股4箇、高座一対] 詳細ページ
鼓楼 [附:厨子] 詳細ページ
経蔵 詳細ページ
宝蔵 詳細ページ
彫刻
名称 適用 詳細
銅造蘆舎那仏坐像 金堂 詳細ページ
乾漆鑑真和上坐像 御影堂 詳細ページ
木心乾漆千手観音立像 金堂 詳細ページ
木心乾漆薬師如来立像 金堂 詳細ページ
木造梵天・帝釈天立像 金堂 詳細ページ
木造四天王立像 金堂 詳細ページ
工芸品
名称 適用 詳細
舎利容器 詳細ページ
・白瑠璃舎利壺(鑑真和上将来舎利納入)1口 [附:後醍醐天皇封花押、足利義満封花押、足利義則封] 詳細ページ
・方円彩糸花網 1枚 詳細ページ
・金亀舎利塔 1基 詳細ページ

 重要文化財

建造物
名称 適用 詳細
礼堂 詳細ページ
旧一乗院2棟(宸殿・殿上及び玄関) 御影堂 詳細ページ
絵画
名称 適用 詳細
絹本著色十六羅漢像
絹本著色大威徳明王像
絹本著色法華曼荼羅図
紙本著色東征絵巻 蓮行筆 5巻 詳細ページ
彫刻
名称 適用 詳細
木造弥勒如来坐像 講堂 詳細ページ
木造持国天・増長天立像 講堂 詳細ページ
木造厨子入釈迦如来立像 礼堂 詳細ページ
木造地蔵菩薩立像 地蔵堂
木造大悲菩薩坐像 中興堂 詳細ページ
木造大日如来坐像
木造如来形立像(頭部、両手欠)
木造薬師如来立像
木造伝獅子吼菩薩立像
木造伝衆宝王菩薩立像
木造伝大自在菩薩立像(両手欠)
木造菩薩立像(面部・左手欠)
木心乾漆菩薩立像 2躯
木造天部形立像(伝帝釈天)
木造如来坐像(伝釈迦如来、伝多宝如来)2躯
木造宝生如来立像
木造如来形坐像・地蔵菩薩立像・菩薩形立像(頭部欠)・天部形立像(伝梵天)
木造十一面観音立像
木造十一面観音立像 法花院旧蔵
木造聖徳太子立像
木造大威徳明王像
木造不動明王坐像
木造吉祥天立像
木造行基菩薩坐像
木心乾漆仏頭
木心乾漆仏頭
木造菩薩頭
銅板押出三尊仏像
銅板押出仏像 5面(薬師如来立像、十一面観音立像、吉祥天立像、如来立像、如来坐像)
磚製阿弥陀如来像(伝文殊菩薩像)
工芸品
名称 適用 詳細
鼉太鼓縁
鼉太鼓縁 [附:皮残闕 一括]
鉦鼓縁
鉦鼓縁
鉦鼓縁 一対
牛皮華鬘残闕8枚分 [附:残片 一括]
金銅金剛盤
金銅舎利容器
金銅法具類(金剛盤、五鈷鈴、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵)
金銅法具類(火舎2、六器24、灑水器1、塗香器1)
金銅蓮弁飾法具(火舎1、花瓶2、六器6、飲食器2、灑水器1、塗香器1)
銅香水壺
黒漆華盤
黒漆舎利厨子 詳細ページ
鋳銅三具足 [附:木箱 永正十三年銘]
日供舎利塔 詳細ページ
法会所用具類(奚婁1口、羯鼓1口、鼓胴1口、木製楯3枚、木製柄香炉3口(附:残闕10口)、木製竜頭8頭、木製馬頭1頭)
唐招提寺勅額 詳細ページ
梵鐘
書跡・典籍
名称 適用 詳細
根本説一切有部戒経・老母六英経 2巻
戒律伝来記 上巻 保安五年奥書
四分律刪繁補闕行事鈔 巻下之三
大般若経 巻第百六十七 宝亀十年願文
大毘盧遮那成仏神変加持経 承暦三年読了奥書及び承安四年読了奥書
法華経(開結共)10帖 覚盛筆 寛元元年・二年奥書
四分戒本(寛元元年奥書)1帖 覚盛筆
梵網経(寛元元年奥書)2帖 覚盛筆
宝篋印陀羅尼経1帖 覚盛筆
唯識三十頌・大乗百法明門論・般若心経(宝治元年奥書)1帖 覚盛筆
瑜伽師地論 巻第三十八 弘安五年中宮寺尼信如移点奥書(奈良時代書写)
唐招提寺一切経 4,794帖(宋版4,456帖、和版88帖、写本250帖)
[附 元版五部大乗経(内和版83巻写本29巻)269巻]
令私記断簡(軍防令、営繕令、関市令)2紙
古文書・考古資料・歴史資料
名称 適用 詳細
唐招提寺文書 2巻
南瞻部洲大日本国正統図 伝香寺旧蔵

 年間行事

伝統行事
時期 名称 適用 詳細
1/1 初詣 礼堂
1/3 修正会護摩供・餅談義 礼堂
1/15 大般若転読法要 礼堂
2/15 涅槃会 礼堂
4月中旬~5月頃 「瓊花」特別開園 御影堂供華園
5/19 中興忌梵網会 講堂
うちわまき 舎利殿(鼓楼)
6/5~6 開山忌舎利会 御影堂・講堂・東室
6/5~7 御影堂特別公開 御影堂
8/23~24 地蔵盆 地蔵堂
中秋 観月讃仏会 金堂・御影堂前庭
10/21~23 釈迦念仏会 礼堂
礼堂特別公開 礼堂
11/17 写経会 御影堂宸殿
12/15 お身ぬぐい 金堂
12/31 除夜の鐘 鐘楼
花見頃

 関連リンク

唐招提寺 公式サイト

 案内

住所

  • 奈良市五条町13-46

交通

  • 西ノ京駅 ~ 徒歩6分

拝観 詳細

  • 時間 8:30~17:00
  • 料金 600円
    (別途 御影堂:500円/新宝蔵:200円)