歴史
時代 | 内容 |
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660年代 | 若草伽藍とは別の仏堂として建立。 |
天智9年(670)以降 | 若草伽藍の火災後、西院伽藍の中心(金堂)となる。 |
昭和24年(1949) | 金堂から出火し、壁画を焼損する。 |
昭和42年(1967) | 焼損した金堂壁画再現事業が発願される。 |
昭和46年(1971) | 金堂小壁画再現事業が完成。 |
堂内
仏像
阿弥陀三尊像 |
Statues of Amida triads |
重要文化財 |
(引用:新版 古寺巡礼奈良1『法隆寺』淡交社)
- 中尊:阿弥陀如来坐像(像高:64.6cm 銅造鍍金)
- 左脇侍:観音菩薩立像(像高:55.4cm 銅造鍍金)
- 右脇侍:勢至菩薩立像(像高:55.2cm 銅造)
- 光背の銘文から承徳年間(1097~1098)に盗難に遭い、鎌倉時代・貞永元年(1232)に康勝(運慶の四男)が新たに制作
- 右脇侍・勢至菩薩立像は、幕末から明治に行方不明となり、現在はフランス・ギメ美術館所蔵となっている。
- 現在、金堂に安置されている右脇侍は平成6年(1994)の制作のレプリカ
四天王立像 |
Standing statues of Shitenno |
国宝 |
持国天立像 |
増長天立像 |
広目天立像 |
多聞天立像 |
(引用:新版 古寺巡礼奈良1『法隆寺』淡交社) |
- 木造 彩色切金
- 像高:持国天133.3cm、増長天134.3cm、広目天133.3cm、多聞天134.2cm
- 須弥壇の四隅に安置される。
(東南:持国天、西南:増長天、西北:広目天、東北:多聞天) - 飛鳥時代
- いずれも眉根を寄せ、甲冑を着け、手に武器をとり、邪鬼の上に直立する謹厳な姿。
- 直立する動きのない姿勢が特徴(後世の四天王像は体を大きく動かし、仏敵に備える体勢をとる)
- 両腕から垂下する天衣の下端が後ろから前に翻るのは飛鳥様式には見られない奥行き方向の表現であり、新しい様式展開を看取することができる。
- 樟材製で金箔を細かく切って文様を表す切金を交えた彩色が施される。
壁画
内陣旧壁画 |
Naijin Wall-painting |
重要文化財 |
(引用:『法隆寺』法隆寺発行) |
- 土壁彩色(縦71.5㎝・横135.2㎝)
- 金堂内陣頭貫上に飛天図が20面描かれる
- 20面とも同じ図様で、一つの原図を写して描いたと考えられる
- 2体の天人が散華のための花皿を持って天衣をなびかせながら飛来する様子を描く
- 張りのある輪郭線や隈取りの強い官能的な身体表現は外陣内壁の阿弥陀浄土図などと同様
- 昭和24年(1949)の火災は、取り外されていたので難を逃れている
外陣旧壁画 |
Gejin Wall-painting |
重要文化財 |
1号壁 |
2号壁 |
3号壁 |
4号壁 |
5号壁 |
6号壁 |
7号壁 |
8号壁 |
9号壁 |
10号壁 |
11号壁 |
12号壁 |
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(引用:『法隆寺』法隆寺発行) |
- 外陣の内壁に大小12面の壁画が描かれていた
- 釈迦、阿弥陀、弥勒、薬師の各浄土を描いたとされる4面の大壁と菩薩像を描いた8面の小壁
- 6号壁の阿弥陀浄土図(中央に阿弥陀如来、左右に観音・勢至菩薩、上方には天蓋)が代表的
- 鉄線描とよばれる肥痩のない輪郭線や強い隈取り、肉体の抑揚を明確にあらわす描法が特徴
- 7世紀後半に伝えられた初唐の充実した絵画様式を基本としている
位置 | 名称 | 解説 |
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1号壁 大壁 | 著色釈迦浄土図 |
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2号壁 小壁 | 著色菩薩像 |
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3号壁 小壁 | 著色観音菩薩像 |
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4号壁 小壁 | 著色勢至菩薩像 |
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5号壁 小壁 | 著色菩薩像 |
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6号壁 大壁 | 著色阿弥陀浄土図 |
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7号壁 小壁 | 著色観音菩薩像 |
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8号壁 小壁 | 著色文殊菩薩像 |
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9号壁 大壁 | 著色弥勒浄土図 |
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10号壁 大壁 | 著色薬師浄土図 |
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11号壁 小壁 | 著色普賢菩薩像 |
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12号壁 小壁 | 著色十一面観音菩薩像 |
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関連リンク
案内