法隆寺

7世紀創建、古代寺院の姿を現在に伝える仏教施設。聖徳太子ゆかりの寺院としても知られる。

法隆寺 五重塔
Horyuji Temple Five-storied pagoda
国宝
 三間五重塔婆・初重裳階付 高さ32.5m(基壇上より)
 本瓦葺・裳階板葺
 飛鳥時代(白鳳期)の建立:金堂より遅い
 世界最古の木造塔
法隆寺 五重塔
(2013/10/06撮影)

 歴史

時代 内容
660年代 金堂に続いて建立と推定
和銅4年(711) 塔本塑像を造立
大正15年(1926) 五重塔心柱に空洞発見。舎利容器を確認。
昭和18年(1943) 五重塔の解体修理中に壁画の痕跡を発見。

 建築

  • 初層に裳階が付くので、6重に見える。
  • 後世の塔と比較すると上層になるにしたがって平面を小さく作る逓減率が大きいので安定感がある。
  • 一辺が約16mの四角の二重基壇。

  • 基壇中央部の心柱の基部には舎利容器を納置。
  • 舎利は瑠璃の小壷に納められ、これを純金の器に入れ、さらに銀器に入れて銅碗のの中に置き、瑠璃小玉葡萄鏡とともに孔中に安置し、銅板のふたがしてあった。
    ⇒ インド以来の風習で中国の仏塔にも文献はあるが事実は残っていない。
    ⇒ 貴重な実例。
法隆寺五重塔 心礎穴内の舎利一具納置図
心礎穴内の舎利一具納置図 (引用:『法隆寺』法隆寺発行)

  • 雲形組物や2層目以上にめぐらされた卍崩しの高欄は金堂と同様。
  • 雲形組物に筋彫りがないなど全体的に意匠がおとなしい。
【正面図】法隆寺 五重塔
正面図
【断面図】法隆寺 五重塔
側面図

引用:図解 社寺建築[社寺図例/編] 理工学社

 党内

国宝 塑像塔本四面具
重文 初層旧壁画(土壁)
  • 四面に土で須弥山を構え、諸種の泥像を置く。
  • 内部の漆喰壁の裏側には金堂小壁画と同構図の壁画が同じ方位に描かれていることが判明した。

平面図

 仏像


塑造塔本四面具
Collection of Clay Statues
国宝
構成
東面維摩居士坐像 1躯
東面文殊菩薩坐像 1躯
東面侍者坐像 1躯
南面弥勒仏倚像 1躯
西面金棺 1基
西面舎利塔 1基
西面侍者坐像 39躯
北面涅槃釈迦像 1躯
北面侍者坐像 31躯
法隆寺五重塔 塔本塑像 維摩詰像土
塔本塑像 維摩詰像土 (引用:引用:『法隆寺』法隆寺発行)
  • 塑造 彩色漆箔
  • 奈良時代 和銅4年(711)の造立
  • 五重塔初層内部4面に塑造の岩窟を築き、そこに配された塑像の群像。
  • 粘土による塑造ならではの柔軟で自在な造形を生かしている。
位置 内容
東面 『維摩詰所説経』に説く維摩居士と文殊菩薩との問答の場面をあらわす維摩詰像土
北面 脈をとる耆婆大臣や悲しみのあまり口を開けて号泣する弟子たちを周りに配して、釈迦涅槃の場面をあらわす涅槃像土
西面 中央に釈迦の遺骸をおさめた棺が置かれ、その前に遺骨を入れる舎利容器があって、周囲を僧や俗人が座っている様子をあらわし、釈迦如来入滅後、遺骨(舎利)を分骨する分舎利仏土
南面 釈迦如来入滅後56億7千万年後に地上に如来となって現れるとされる弥勒を中心とした弥勒像土

 関連リンク

法隆寺 公式サイト

 案内

住所

  • 生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1

交通 詳細

  • 法隆寺駅 ~ バス「法隆寺門前」行終点 ~ 徒歩1分

拝観 詳細

  • 時間 8:00~17:00
  • 料金 西院伽藍、大宝蔵院・百済観音堂、夢殿 共通で 1,200円