法起寺

聖徳太子が法華経を講じた「岡本宮」を寺に改めたのが創始と伝えられる。聖徳太子建立七大寺の一つに数えられる。

法起寺 三重塔
Hokiji Temple Three-storied pagoda
国宝
 三間三重塔婆 高さ23.9m
 本瓦葺
 慶雲3年(706)建立と推定
 国内最古の三重塔
法起寺 三重塔
(2012/11/25撮影)

 歴史

時代 内容
天武13年(685) 造り始めたという説があるが、実際は持統朝になってからと考えられる。
慶雲3年(706) 露盤(相輪のこと)を上げる:塔露盤銘
延宝6年(1678) 真政圓忍とその弟子たちにより修復。
昭和50年(1975) 解体修理により創建当時に復元された。
塔露盤銘
  • 露盤は、仏塔の相輪の基盤となる部分で、古くは相輪全体の呼称。
  • 三重塔の露盤(檫柱)に刻まれた記文。
  • 現物は失われていて、現存しない。
  • 顕真の『聖徳太子伝私記』などに全文が写し留められている。
  • 内容は以下のとおり。
    1. 聖徳太子が山代兄王(山背大兄王)に山(岡か)本宮を寺となすことを遺命とする。
    2. 大倭・近江の田が施入される。
    3. 戊戌年(638)に福亮によって弥勒像・金堂が営まれる。
    4. 乙酉年(685)に恵施により堂塔が営まれる。
    5. 丙午年(慶雲3年 706)3月に露盤を営作した。
 

 建築

  • 法隆寺系建築様式に属する。
  • 法隆寺五重塔と同様に、胴張り(エンタシス)の柱や雲斗・雲肘木、深くて勾配の緩やかな屋根といった特徴がある。
  • 初重と三重の平面の大きさは法隆寺五重塔の初重と五重と等しい。
  • 最上層は法隆寺塔同様2間としていて、安定感のある形をしている。
  • 法隆寺塔とは次のような違いがある。
    1. 雲斗、雲肘木に渦文は彫られていない。
    2. 心礎は舎利孔を持っているが、基壇上に据えられている。

    ⇒ 法隆寺塔の方が年代的に古いと考えられる。

法起寺三重塔 断面図
断面図 (引用:大和古寺大観『法起寺・法輪寺・中宮寺』岩波書店)

 関連リンク

法起寺 公式サイト

 案内

住所

  • 生駒郡斑鳩町岡本1873

交通

  • 近鉄奈良駅 ~ バス(法隆寺前行き)53分 ~法起寺前下車スグ

拝観

  • 時間 8:30~17:00
    (11/4~2/21は16:30まで)
  • 料金 300円