所在地
発掘調査
第1~3次調査 ~平成10年(1998)
- 古墳時代初頭(3世紀後半)の築造であると推定。
- 墳丘北側に幅20m前後の周濠状遺構の存在を確認。
- 墳丘形態は前方部の存在も含めて不確実な部分が多く、全長は100m規模と推定。
- 濠の中から3世紀後半と推定される甕や壷・高杯などの土器類や機織りの際の経巻貝、有頭棒などの木製品が出土。
- 周濠外側の肩部から埋設施設を1基確認。
第4次調査 平成18年(2006)
- 前方部の遺構を初めて確認。⇒前方後円墳であると判明。
- 墳丘南側に周濠状遺構がめぐることを確認。
第5次調査 平成19年(2007)
- 墳丘規模の確認のため西側部分を調査。
- 墳丘の端部は検出できなかったが、盛土の広がりを確認。
⇒ 前方部は従来考えられていたものよりも長いことが判明。
⇒ 纒向型前方後円墳とは異なる墳丘形態であることを確認。
第6次調査 平成20年(2008)
- 古墳の前方部の形態を明らかにするための範囲確認調査。
- 前方部南側面と前方部前面の墳丘端を検出し、前方部全体像の復元が可能になる。
全長が120mであると判明。 - 後円部周辺で確認されている周濠状遺構が前方部には存在しない可能性が高くなる。
年代・埋葬者など
- 被葬者は不明
- 築造時期については、布留0式期の土器類や木製品の出土により、3世紀後半頃と推定。
纒向編年
日本の奈良県桜井市に所在する纒向遺跡において、発掘調査を担当した奈良県立橿原考古学研究所石野博信と、豊岡卓之による纒向遺跡出土の弥生土器・土師器を分類・整理して得られた編年である。1類から5類に区分されるが、暦年代については必ずしも考古学会で定説とは認められていない。
暦年代 纒向編年 土器出土遺構 対応する土器型式 180―210年 纒向1類 北溝北部下層
灰粘土層弥生5様式 210―250年 纒向2類 辻地区土抗2 庄内1式(庄内古式) 250―270年 纒向3類 南溝南部
黒粘土(1)下層庄内2式(庄内新式) 270―290年 纒向4類 辻地区土抗4下層 庄内3式(庄内新新式)
布留0式290―350年 纒向5類 辻地区土抗4上層
辻地区土抗7布留1式
埋設設備
- 周濠外側の肩部から上半部を打ち欠いた東海産パレス壷を蓋に使用した大型複合口縁壷の埋設施設が検出されている。
参考文献
- 奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック 網干善教 監修 奈良商工会議所 編 山と渓谷社
- 奈良県の歴史散歩 (上)奈良南部 [歴史散歩29] 山川出版社
- シリーズ「遺跡に学ぶ」051 『邪馬台国の候補地 纒向遺跡』 石野博信 新泉社
<所在地>
- 桜井市東田字大塚
<アクセス>
- 巻向駅 ~ 徒歩15分
<入場>
- 時間 自由
- 料金 無料