[解説]社格
古代に定められた社格
官社
- 大和朝廷が導入を図った律令制の法体系には日本独自の神祇制度を組込み、その存在・役割を国家的に認められた神社
- 祭祀を扱っていた行政機関の神祇官から2月の祈年祭のときに神様へのお供えである幣帛が献じられた
- 7世紀後半の天武・持統朝で機内中心に整備され、8世紀前半に全国に広まる
- 平安時代になると次のように区分 ⇒ この時点の神社一覧が『延喜式神名帳』に記される
- 重要度に応じて、大社と小社
- 祈年祭のときに、幣帛を受ける先で官幣社(神祇官から受ける)と国弊社(地方の国司から受ける)
- 祈年祭以外でも幣帛を受ける神社があり、特に霊験あらたかな神社を名神大社と呼ばれた
式内社
- 『延喜式神名帳』(『延喜式』巻9・巻10)に記載された朝廷がお祭りをすべき全国の神社2,861社のこと
- 『延喜式』は平安時代中期(927年)に成立した律令の施行細則
二十二社
- 平安時代中期から朝廷から格別の崇敬を受けるようになった神社
- 平安京近辺の16社が最初、最終的には22社になる
- 祈雨や止雨を中心に天変地異や国家の大事に際して祈願が行われた
一宮・総社
- 中央で二十二社の制度が成立する頃に地方の多くの国々で成立
- 地方政治の国内で第一位の地位を占めた神社を一宮(一之宮)とし、他を二宮、三宮とした
- 国司は国内諸神社の巡拝の労を軽減するために、国府内やその隣接地に一宮、二宮以下の神様を勧請し、一括して祀ったのが総社
明治時代に定められた社格
官社
- 神祇官の管轄で、皇室から幣帛がお供えされる官幣社と国庫からお供えされる国幣社に区分
- それぞれは、大社・中社・小社に分けられる
- 官幣社は、主として二十二社を中心に皇室の崇敬の篤い神社
- 国弊社は、諸国一宮を中心に地方において崇敬の篤い神社
- 皇室や国家のために特別貢献した人物を祀る神社が別格官幣社
諸社
- 地方長官の管轄で、府県内での崇敬を有する府社・県社、郷・村内で崇敬を有する郷社・村社、それ以外の無格社
※ 戦後、以上のような社格は廃止された。
参考:神社検定 公式テキスト①「神社のいろは」 扶桑社