特徴
- 東京国立博物館、京都国立博物館、九州国立博物館と並び四大国立博物館の一つ。
- 仏教美術を中心に展示する国内屈指の博物館。
- 毎年秋に正倉院展を開催し、全国各地から多くの見学客が訪れる。
- 本館と新館は地下通路で結ばれ、仏像の製造過程や模型やパネル展示、ミュージアムショップ、レストランなどがある。
- 新館は、絵画・工芸・書跡・考古の分野の「平常展」と正倉院展などの「特別展」の会場となる。
- 新館1階には学習コーナーが設置されている。
- 国宝関係の図書閲覧やデジタル映像の鑑賞ができる。
- 東大寺南大門や転害門、興福寺北円堂の精巧な模型がある。
施設
春日東西塔跡 |
Ruins of Kasuga east and west towers |
神仏習合思想の代表的遺構 |
東塔跡 (引用:公式サイト) |
西塔跡 (引用:公式サイト) |
- 春日大社一の鳥居を入った北側に、東西に並んだ2基の塔跡。
- 西塔:永久4年(1116)、関白・藤原忠実が建立。「殿下の御塔」と称す。
- 東塔:保延6年(1140)、鳥羽上皇が建立。「院の御塔」と称す。
- 承4年(1180)、平重衡による南都焼き討ちにあって焼失し、その後再建。
- 応永18年(1411)、落雷によって焼失し、その後は再建されず。
- 東西両塔の規模はともに興福寺五重塔とほぼ同じ。初層の一辺は約8.6メートル、高さ約50メートルと推測
- 両塔の南正面には複廊、中央には楼門を設け、東・西・北の三方には一辺約70~80mの築地(塀)を巡らす。
- 往時の偉容は、絵画の春日宮曼荼羅などで確認できる。
茶室・八窓庵 |
Hassoan (Eight Window Hermitage) Teahouse |
大和三茶室 |
- 元は興福寺大乗院の庭園(現在の奈良ホテルの南)に建っていた古茶室。
- 含翠亭(がんすいてい)ともいい、江戸時代中期に創建。
- 草庵風、入母屋造茅葺で、天井は床前から点前座にかけて蒲天井とし、残りは化粧屋根裏になっている。
- 茶室(四畳台目)に相の間(4畳)と水屋(3畳)が附属。
- 明治25年(1892)、奈良の篤志家たちによって、当時の帝国奈良博物館に寄贈・移築された。
- 創建当初の状態を良く保っている。
- 江戸時代の茶人・古田織部好みと伝えられる多窓式茶室。
- 「千利休が好む極端に狭い茶室」から「小掘遠州が好んだ四畳半台目のゆったりとした茶室」に移行する中間の貴重な遺構。
大和三茶室
- 東大寺 四聖坊の隠岐録 ⇒ 東京に移設後、戦災で焼失
- 興福寺 慈眼院の六窓庵 ⇒ 東京国立博物館に移設
- 興福寺 大乗院の八窓庵 ⇒ 奈良国立博物館に移設
国宝
絵画
名称 | 適用 | 詳細 |
絹本著色十一面観音像 | 法起寺伝来 | |
紙本著色地獄草紙 | ||
紙本著色辟邪絵5幅 | ||
紙本墨画山水図(水色巒光図) | 伝周文筆 文安二年心田清播等三僧賛 |
彫刻
名称 | 適用 | 詳細 |
木造薬師如来坐像 |
工芸品
名称 | 適用 | 詳細 |
蓮唐草蒔絵経箱 | ||
刺繍釈迦如来説法図 | 京都・勧修寺伝来 | |
牛皮華鬘13枚 | 東寺伝来 |
書跡・典籍
名称 | 適用 | 詳細 |
紫紙金字金光明最勝王経10巻 | ||
金剛般若経開題 | 空海筆 |
古文書・考古資料・歴史資料
名称 | 適用 | 詳細 |
越中国射水郡鳴戸村墾田図 | 天平宝字三年十一月十四日 | |
伝教大師筆尺牘(久隔帖) | ||
日本書紀 巻第十残巻(紙背性霊集) |
重要文化財
建造物
名称 | 適用 | 詳細 |
旧帝国奈良博物館本館 (なら仏像館) 附:内匠寮奈良博物館建築工事図面(明治23–28年)235枚、表昇降口雛形1箇、棟札1枚 |
||
旧奈良県物産陳列所 (仏教美術資料研究センター) |
絵画
名称 | 適用 | 詳細 |
絹本著色両界曼荼羅図(厨子入)2面 | 滋賀・聖衆来迎寺伝来 | |
絹本著色尊勝曼荼羅図 | ||
絹本著色一字金輪曼荼羅図 | ||
絹本著色大仏頂曼荼羅図 | ||
絹本著色倶利迦羅竜剣二童子像・両界曼荼羅図3幅 | ||
絹本著色浄土曼荼羅図(伝・清海曼荼羅) | 奈良市・極楽寺伝来 | |
絹本著色二河白道図 | ||
絹本著色釈迦霊鷲山説法図 | ||
絹本著色釈迦三尊像3幅 | 滋賀・聖衆来迎寺伝来 | |
千手観音像(絹本著色)・木造観音立像 | ||
絹本著色千手観音像 | ||
絹本著色如意輪観音像 | ||
絹本著色五字文殊菩薩像 | ||
絹本著色普賢菩薩像 | ||
絹本著色普賢十羅刹女像 | ||
絹本著色地蔵菩薩像 | ||
絹本著色地蔵菩薩像 | ||
絹本著色普賢延命像 | 青蓮院伝来 | |
絹本著色虚空蔵菩薩像 | 滋賀・円満院伝来 | |
絹本著色不動明王八大童子像 | ||
絹本著色五大明王像1幅 | ||
絹本著色十二天像12幅 | 三重・大宝院伝来 | |
絹本墨画白衣観音像 | 約翁徳倹賛 | |
絹本墨画水月観音像 | 天庵妙受賛 | |
絹本著色親鸞聖人像 | 京都市伏見区・常福寺伝来 | |
絹本著色安東円恵像 | 明極楚俊賛 | |
絹本著色道宣律師像 | ||
絹本著色明空法師像 | 滋賀・仏心寺伝来 | |
絹本墨画大道和尚像 | 伝明兆 | |
絹本著色一休宗純像 | ||
紙本白描胎蔵図像(智証大師本)2巻 | ||
紙本白描諸観音図像 | ||
紙本白描不動明王図像 | 寛元三年兼胤書写奥書 | |
紙本白描東大寺戒壇院扉絵図 | ||
絹本著色生駒曼荼羅図 | ||
絹本著色日吉山王宮曼荼羅図 | ||
絹本著色仏涅槃図 | 陸信忠 愛知・宝寿院伝来 | |
絹本著色十王像3幅 | 陸仲淵 | |
絹本著色十王図10幅 | 陸信忠 | |
絹本著色白衣観音図 | 高麗 | |
絹本著色絵因果経 巻二上(62行) | ||
紙本著色華厳五十五所絵1面 | ||
紙本著色地獄草紙断簡(沸屎地獄) |
彫刻
名称 | 適用 | 詳細 |
乾漆力士形立像 | ||
銅造薬師如来坐像 | ||
木造十一面観音立像 | 奈良~平安時代 | |
木造十一面観音立像 | 新薬師寺伝来 | |
木造兜跋毘沙門天立像 | ||
木造如意輪観音坐像 | ||
木造大日如来坐像 | ||
銅造蔵王権現立像 | ||
木造獅子(文殊菩薩像台座) | 園城寺伝来 | |
木造狛犬1躯 | ||
木造増長天立像 | 興福寺伝来 | |
木造多聞天立像 | 興福寺伝来 | |
木造愛染明王坐像 附:瑜祇経 | 建長8年(1256年)快成作 | |
木造釈迦如来立像 | 文永10年(1273年)玄海作 | |
石造三尊仏龕 | 長安宝慶寺伝来 | |
石造十一面観音龕 | 長安宝慶寺伝来 |
工芸品
名称 | 適用 | 詳細 |
阿弥陀如来鏡像(銅鏡松喰鶴文) | ||
金銅山王十社御正体 | 建保6年(1218年) | |
熊野十二社権現御正体 | ||
金銅蛭巻入峰斧 | ||
金銅五鈷明王鈴 | ||
金銅宝珠鈴・金銅独鈷鈴・金銅三鈷鈴 | ||
金銀鍍宝相華文如意 | ||
金銅鰐口 | 建長6年(1254年)銘 | |
金銅種子華鬘6枚 | 滋賀・兵主大社伝来 | |
鉄釣燈籠 | ||
梵鐘 | 陳太建七年銘 | |
鳳凰戧金経箱 | ||
黒漆大般若経厨子 | ||
黒漆小龕(首懸駄都種子曼荼羅厨子) | 奈良・額安寺伝来 | |
黒漆宝篋印塔嵌装舎利厨子 附:法華経8帖 | ||
春日龍珠箱 | ||
刺繍三昧耶幡(納入文書9枚付)17旒 附:幡残片6枚、幡頭金具8箇、木箱1合、錦幡2旒(幡頭金具4箇付) |
滋賀・兵主大社伝来 |
書跡・典籍
名称 | 適用 | 詳細 |
法華経(色紙)8巻 | ||
仏説灌頂随願往生経(天平九年石川年足願経) | ||
紫紙金字華厳経 巻第七十 | ||
中阿含経 巻第九(善光朱印経) | ||
紫紙金字金光明最勝王経分別三身品第三残巻 | 永仁二年後宇多天皇宸翰願経 | |
紺紙金字一字宝塔法華経 | 巻第三、第五 | |
法華経8巻 | 建治二年八月四日宗性願文 | |
仏教関係記録・撰述書 | ||
金剛般若集験記 | ||
七大寺日記 | ||
門葉記(寺領目録) | 尊円親王筆 | |
雑筆集5巻 | ||
神護寺如法執行問答 | 明恵筆 | |
弘法大師御勘文 | ||
類秘抄4巻 | 承久二年二月定真書写奥書 | |
華厳十重唯識瑺鑑記 | 巻第四 凝然筆 |
古文書・考古資料・歴史資料
名称 | 適用 | 詳細 |
弘福寺牒並大和国判 | ||
造東大寺司請経牒 | ||
東大寺開田図4幅 | ||
・越前国坂井郡高串村東大寺大修多羅供分田図 | 天平神護二年十月 | |
・越中国礪波郡石粟村官施入田図 | 天平宝字三年十一月 | |
・越中国射水郡鳴戸村墾田図 | ||
・越中国射水郡鹿田村墾田図 | ||
筑前国嶋郡川辺里大宝二年戸籍断簡 | 紙背千部法華経校帳断簡 | |
豊前国仲津郡丁里大宝二年戸籍断簡 | 紙背検受疏目録断簡 | |
万昆嶋主解 | 天平宝字二年七月廿八日 | |
民部省符 | 延長四年二月十三日 | |
神泉苑請雨経法道場図 | ||
大和国乙木庄条里坪付図 | ||
伝教大師求法書等 | ||
弘法大師二十五箇条遺告 | ||
慈円僧正懐紙 | ||
兀庵普寧墨蹟 | ||
清拙正澄墨蹟 | ||
佐味田宝塚古墳出土品 | 東京国立博物館と分蔵 | |
天神山古墳出土品(銅鏡23面、鉄製品16点) | ||
金銅山代忌寸真作墓誌 | 神亀五年(728年) | |
佐井寺僧道薬墓出土品(銀墓誌、骨壺) | 和銅七年(714年) | |
金銅宝塔形経筒・銅造如来立像 | 経筒:永久四年(1116年)銘 | |
壱岐鉢形嶺経塚出土品 弥勒仏像 | 延久三年(1071年)銘 | |
銅経筒(保延七年在銘、普賢十羅刹女像毛彫)・滑石外筒(法華種子曼荼羅・真言等陰刻) | ||
出雲荻杼古墓出土品(青磁鉢2口、青磁皿1枚、陶製甕・蓋石共1口) |
庭園風景
(2016/05/04撮影)
関連リンク
案内
住所
- 奈良市登大路町50
交通
- 近鉄奈良駅 ~ 徒歩15分
見学 詳細
- 時間 基本 9:30~17:00(一部、19:00まで)
- 料金 個人520円、大学生260円、高校生以下無料(特別展はその都度決定)