元興寺

日本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が 平城遷都にともなって、 蘇我氏寺から官大寺に性格を変え、 新築移転された寺院。

元興寺 極楽堂(本堂)
Gangoji Temple Main Hall
国宝
 寄棟造(桁行6間・梁間6間) 一重 妻入
 本瓦葺 正面1間通り庇付 閼伽棚を含む
 寛元2年(1244)改築再建
 堂内中央に僧坊時代の一房がそのまま残る
元興寺 極楽堂(本堂)
(2012/12/31撮影)

 歴史

時代 内容
平安末期 浄土教が盛んになるにつれて馬道東側の第一房を極楽房と呼び、智光曼荼羅を祀って百日念仏の興行が行われるようになる。
建久8年(1197) 内部の間仕切りを取り払って3房連続した念仏道場に改造し、念仏会のための田地の寄進もあり一層発展する。
⇒ 旧僧坊は馬道を含めて8房程度の残り、東3房を曼荼羅堂、西4房を影向堂と称していた。
寛元2年(1244) 曼荼羅堂を改築再建

 建築

  • 東側に庇を付ける
  • 正方形の内陣を中心ににして同心円状に二重の柱列をめぐらせた常行堂類似の平面をもつ。
  • 内陣は旧僧坊をの中央大室の規模をそのまま踏襲し、側柱筋で2間に分ける。
    ⇒ 仏堂として珍しい6間の偶数間となっている。
  • 南と北の側面は中央3間を桟唐戸、その両脇をの間には片開き戸口を対称に設ける。
    ⇒ こちらの方が格式があり、むしろ正面に見える。
    ⇒ 正面性が不明確なのが特徴。
    ⇒ 堂内外を開け放って行われた念仏講の大衆的性格から生まれたと推測。
元興寺 極楽堂(側面)
側面 (2012/12/31撮影)

 堂内

通常、寺院の本尊は仏像であるが、元興寺極楽堂(本堂)の本尊は奈良時代に元興寺で学んだ僧侶・智光法師が夢で見た極楽浄土の様子を描かせた図(曼荼羅図)である。

本尊
重文 智光曼荼羅図 個別ページ
元興寺極楽堂 内陣
元興寺極楽堂 内陣 (引用:元興寺公式ガイドブック「わかる!元興寺」)

 案内

住所

  • [極楽坊] 奈良市中院町11
  • [大塔跡] 奈良市芝新屋町12
  • [小塔院跡]奈良市西新屋町45

交通

  • 近鉄奈良駅 ~ 徒歩15分

拝観 詳細

  • 時間 9:00~17:00
  • 料金 500円(特別展の時期は600円)