春日山原始林

古来春日大社の神山として信仰の場。9世紀頃には禁伐令が出されるなど積極的な保護がなされて原始性を保ってきた。

春日山原始林
Kasugayama Primeval Forest
世界文化遺産(古都奈良の文化財)
[平成10年(1998)登録]
天然記念物
 春日神社の神山としての信仰の場
 800余種からなる多様な植物社会を形成
 都市近郊に接し原始性と特異な林相

 所在地

  • 春日山は奈良市の市街地の東側に屏風のようにそびえる南北に長い山地。
春日山原始林の位置
春日山原始林の位置

 特徴

  • 標高:498m、面積:約250ha
  • 鬱蒼と繁茂した巨木の林相は、常緑広葉樹(カシ、シイ類)を主とした暖帯林を代表とする。
    1. 低標高地にはイチイガシの巨樹が多く
    2. やや乾燥した斜面や小尾根にはコジイ(ツブラジイ)林
    3. やや湿った山腹にはツクバネガシが優占
    4. 主山稜にはアカガシの巨樹が見られる。
  • 暖地性の蔓性植物(フジ、カギカズラ、ウドカズラ、テイカカズラ)やシダ植物(ウラジロ、イワヒメワラビ)の種も多い。
  • 温帯性の樹木(ホオノギ、ウラジロノギ、ブナ)や寒帯性の樹木も混生し、800余種からなる多様な植物社会を形成している。
  • 昆虫、鳥類の動物も豊富に生息している。
  • 都市近郊に接し、原始性と特異な林相、学術的価値が高い。

 歴史

時代 内容
春日大社の神山として信仰の場であったため、ほとんど斧を入れていない。
9世紀頃 禁伐令が出されて、積極的な保護のもと、原始性を保つ。
16世紀 豊臣秀吉による約1万本のスギ植栽や歴史上数回にわたる台風被害により壊滅的な被害を受け早期回復を図るために在来種により補填するなどある程度人工の手が加えられてきた。
⇒ 厳密な意味では原始林ではない。

 特記事項

  • 近年、「奈良のシカ」の増加により、春日山内にもシカが増えている。
  • その結果、シカが好む林床植物が減少し、裸地が広がり、飛散した増殖力が高くて、シカが好まない植物が成長し、林床を占有することになってきた。
  • 国外外来種であるナンキンハゼ、国内外来種(自生していたとは考えられないが、国内他地域に自生している種)であるナギが増えている。
  • シカが樹皮を食べるために剥ぐので、照葉樹の枯死が見受けられるようになってきた。

 景観

春日山原始林 陽の当たる斜面
陽の当たる斜面
春日山原始林 斜面の木々
斜面の木々

 関連リンク

 案内

住所

  • 奈良市春日野町

交通

  • JR・近鉄奈良駅~「春日大社本殿」行きバス終点下車~徒歩5分で遊歩道入口

見学

  • 時間 自由
  • 料金 無料